身寄りのない人が身元保証人を求められたら?

近年、社会はますます多様化し、個々の状況や背景も多様化しています。その中で、身寄りのない人が身元保証人を求められるという状況が時折生じることがあります。

身元保証人は、入院時や介護施設などに入るときも求められるケースが多く、信用性や返済能力の担保として機能します。しかし、身寄りのない人が身元保証人を求められる場合はどのように対応したらよいのでしょうか?

本稿では、身寄りのない人が身元保証人を求められる状況について考え、解決策について、相談者さまからの質問に回答する形で、解説していきます。

相談内容

私は60代男性です。妻とは離婚し、子どもたちとは疎遠になって久しく、ひとり暮らしをしています。先日ふと思ったのですが、私が病院に入院する時、身元保証人を用意できなかったら入院できなくなるのでしょうか。介護施設等に入るときも身元保証人が求められる気がします。身寄りのない私のような人はどうすればいいのでしょうか。

回答・解説

現在は病院への入院や介護施設の入所の際に、ほとんどの病院・介護施設から身元保証を要求されます。

身元保証というのは、具体的には、「緊急時に連絡してもらう」「支払いの保証をしてもらう」「死亡した場合に対応してもらう」等のために必要とされるものです。

従来は、突然のアクシデントが生じても、家族がそばにいて何らかの対応をしてくれました。病院や施設での身元保証もそのうちの一つでした。

しかし、核家族化の進んだ現代においては、身元保証をしてくれる家族がいない、あるいは家族はいるが身元保証を頼みづらい、というケースも増えてきました。そのため、最近では、身元保証サービスを利用する人が増えつつあります。身元保証サービスとは、家を借りるときに保証人が用意できない場合に家賃保証会社に保証人になってもらうのと同様に、身元保証人がいない場合に身元保証業者に身元保証料を支払って身元保証をお願いするというものです。

保証料を払う必要はありますが、業者がプロとして、貴方の現況に応じて、日常の見守りサービスや、入院時や介護時の付添や手続代行、緊急時の対応、葬儀における喪主代行、納骨や遺品整理などの様々な手続きをスムーズに行ってくれるので、大きな安心感を得られるでしょう。

もっとも、個人情報の管理が杜撰だったり、不必要な契約を無理に勧誘してきたり、実際には緊急時に連絡がつかなかったりするような、詐欺的な業者も存在するようですので、信頼できる業者と契約することが必須です。

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