シングルマザーの資産形成~娘の未来のために~

今回はお子さんにできるだけ多くの遺産を遺すことについて解説いたします。

相談者からの質問

私は40代女性の会社員です。離婚した夫との間に娘がいて私が育てています。養育費は毎月10万円支払われる約束ですが払われておらず諦めています。子供には私と同じような苦労をさせたくないという気持ちからか、できるだけ多くの遺産を遺したいと思っています。今はとことん節約していますが、その他にどのようなことに気をつければいいでしょうか。

回答

いわゆる純資産が、貴方が娘さんに残す遺産となりますので、純資産をどのようにして大きくするかという視点が最重要になります。

純資産を大きくするためには、収入を大きくし、支出を小さくし、税金を少なくし、資産を大きくし、負債を小さくすればいいわけです。ただ、レバレッジと言って、借金を元手にして収入を大きくすることができるので、借金をすること自体が悪いわけではありません。支出についても、とにかくお金を使わなければいいというわけではありません。食費を削ることで健康を害して医療費がかさんだりすることを想像してみましょう。また、たまには贅沢をしないと心の健康が図れないかもしれません。また、負債を小さくするためには返済という支出を行う必要があります。収入が上がれば納税額も上がります。つまり、この絶妙なバランスをマネジメントする力が必要になります。

まずは、貴方のBSとPLを作ってみましょう。BSというのは、現時点で、資産として何を持っていて、負債がどれくらいあって、つまり純資産はいくらなのかがわかる貸借対照表です。PLというのは、今年一年、収入がいくらあってどれくらい支出したのかという収支表です。

これによって貴方の課題が浮かび上がるので、それに対応した策をうちましょう。

たとえば、収入が少ないのであれば、スキルアップで昇給を狙いましょう。また副業や転職も検討しましょう。収入は労働収入に限りません。各種公的扶助を徹底的に調べましょう。また、養育費は諦めずに確実に回収しましょう。10万円貰える権利と10万円の現金は同じ10万円でも雲泥の差です。10万円であれば年間120万円です。諦めるには惜しい収入です。

まとめ

以上を踏まえて、浪費をせず、不要な税金を払わず、賢く資産運用をしましょう。そうすれば、自ずと純資産が大きくなります。

ただ、根本的な話をすると、娘さんにとっての最大の遺産は、お金ではなく適切な教育だと思います。教育にお金を使わずに遺産をたくさん残すことがいいのかは、今一度検討してみましょう。

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この記事を書いた人(堤)

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この記事を書いた人
弁護士
堤 悦朗
福岡県福岡市出身。上智大学外国語学部卒業。弁護士(2009年弁護士登録)。

大手法律事務所パートナーを経て2018年に独立開業。2019年MBA(九州大学)。本サービスの源流となるリーガルテックについて執筆した論文が南信子賞(最優秀賞)受賞

TVQ情報番組「ふくサテ」に終活の専門家として出演するなどメディア実績あり。

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