行方不明になった親の財産問題

親の行方がわからないという状況は、法的な曖昧さや混乱をも引き起こします。遺言書の有無や財産の処理、遺産分割など、財産に関する問題は、行方不明となった親の家族にとって、取り組むべき課題となるでしょう。このコラムでは、行方不明になった親の財産問題に焦点を当て、相談者からの質問に対しその解決に向けて考えるべきポイントについて解説してみたいと思います。

相談内容

父親が行方不明になって20年経ちます。どこでなにをしているかわからないですし、そもそも生きているのかもわかりません。ある日突然行方不明になり、その理由もわからないです。生きていれば90歳になっています。父親が住んでいた不動産がありますが今は誰も住んでいません。名義は父親のままですが、今後どうすればいいのでしょうか。相続人としては私だけなのですが、私はこの不動産を相続できるのでしょうか。

回答・解説

お父様が亡くなっていれば、あなたはこの不動産を相続して名義をあなたに移転することができます。そうすれば、その不動産にあなたが住もうが、誰かに売却しようが自由です。

ただ、現時点ではお父様の名義ですし、お父様が亡くなっているかどうかはわからないです。90歳であれば亡くなっている可能性は十分にありますが、死亡したことがわからない以上相続は始まらない、ということになりそうです。

実は、この問題を解決する方法として、「失踪宣告」という制度があります。

不在者が一定期間生死不明となっている場合に、裁判所に不在者の失踪を宣告してもらうものです。失踪宣告がされると、その不在者は死亡したものとみなされます(民法31条)。

不在者の生死が7年間あきらかでない場合は失踪宣告が認められますので、20年間行方不明となっているあなたのお父様については、失踪宣告がなされる可能性が高いと思います。したがって、あなたは、家庭裁判所に失踪宣告の申立をするとよいでしょう。

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