生命保険に入ることは相続税の節税になる?

相続税は生前からの準備次第で税額が大きく変わることをご存じでしょうか?
相続税の節税方法は様々ですが、資産額や不動産の保有有無などで実施できることは変わってきます。

今回は、相談者様の質問に回答する形でこの問題について解説していきます。

相談内容

私は60代でまだまだ元気ですが、子どもたちのためにもできるだけ相続税を節約できるように事前に対策しておきたいと考えています。

保険会社の人から、生命保険で相続税を節約できるから今から保険に入るべきですと終身保険契約を勧められたのですが、私は新しく保険に入ったほうがいいでしょうか。

なお、資産は5000万円。夫とは死別し、子供が4人います。

回答・解説

一般論として生命保険で節税できるというのは本当ですが、あなたのケースの場合はあえて生命保険に加入しなくてもいいかもしれません。

相続税を低くするためには、以下の4つのケースが考えられます。
①相続財産の評価額を低くすること
②相続債務を増やすこと
③基礎控除額を増やすこと
④非課税枠を最大限活用すること

生命保険金については上記のうち④のお話となります。

あなたが保険料を支払い、死亡時受取人を子供さん達にしておくと、子供さん達が受け取った保険金は相続財産とみなされますが、「法定相続人の数×500万円」の非課税枠があります。ですのでその分相続税が安くなるとも思えます。

しかし、本件では、そもそも基礎控除額が5400万円(=3000万円+600万円×4人)ですので、この分だけで相続税がかからなくなると思われます。ですので、現時点ではあえて生命保険で非課税枠を活用する必要性はなさそうですので、相続税対策としてではなく純粋に保険に加入する必要があるかどうかで判断するとよいと思います。

0