日本人パートナーが亡くなったら、外国人国籍の方は日本を出ていかなければいけないのでしょうか。

日本の法律では、外国人国籍の方が日本に居住するためには、適切なビザや在留資格を保持している必要があります。

日本人パートナーが亡くなった場合、外国人国籍の方の在留資格はどうなるのでしょうか?
本コラムでは、相談者からの質問に回答する形で、この問題について解説していきます。

相談内容

私は60代の日本人ですが、妻Aはフィリピン国籍です。5年前に結婚しました。子供はいません。彼女の在留資格は「日本人の配偶者」です。終活をしていて思ったのですが、もし私が今亡くなったら、妻は私の配偶者ではなくなって在留資格を失うのではないでしょうか?そうすると日本に住み続けることはできないということでしょうか。すぐにフィリピンに帰国しないといけないのでしょうか?それを防ぐ方法はありますか?

回答・解説

外国人が日本に在留するためには在留資格が必要です。いわゆる「ビザ」ですね。日本では29種類ものビザが存在していますが、Aさんは、そのうちの「配偶者」という資格で日本に在留しているということですね。

そうすると、あなたが亡くなった場合は、配偶者ではなくなるので在留資格を失います。在留資格更新の時までは在留資格がある、というわけではありません。

これを防ぐためには、在留資格の変更の許可を受けることです。

あなたが亡くなった場合、Aさんは14日以内にあなたが亡くなったことを入国管理局に届出書を出さなければなりません。その上で、6ヶ月以内に入国管理局に在留資格の変更許可の申請をしないといけません。これが認められればAさんは日本に在留し続けることができます。

それでは、Aさんはどのような在留資格に変更することができるでしょうか。

まず、「定住者」資格への変更はできるでしょうか。定住者であれば、職種に関係なく就労できますし、後に「永住者」になることも可能となるのでおすすめです。

日本人配偶者との結婚期間が3年以上であれば定住者へ変更できる可能性がありますが、本件の場合、結婚期間が5年ですので可能性はあります。ただ、実子がいるかどうか、収入があるかどうか、など個々の事情で判断されるので不許可の可能性もあります。

Aさんが、大学を卒業していて、日本で専攻科目と関連のある就職先を見つけることができれば、「技術・人文知識・国際業務」という資格に変更できる可能性があります。また、経済的な余裕があれば起業して「経営管理」の資格をとることもありえます。

一方で、Aさんが上記の条件を満たすことができなければ、在留資格の変更は認められず、Aさんはフィリピンに帰国しなければいけないことになります。

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