身近な人が亡くなったときやってはいけない3つのこと

身近な人が亡くなったときは、どうやって対応すればよいのか、迷ってしまうことがあります。心がふさぎ込んでいる中では、正しい判断ができなくなることもあるでしょう。

そこで、この記事では、身近な人が亡くなったときに、やってはいけない3つのことについてまとめました。特に、相続の場面で知っておきたい正しい対応方法を知ることで、冷静な判断を心がけることができるようになります。

身近な人を失ったときに気を付けておかなければならないポイントを知り、より落ち着いた気持ちで向き合えるようになりましょう。

1.亡くなった方のATMからお金を引き出すこと

亡くなったかたのATMから、葬儀代金などのためにまとまった現金を引き出すケースはよく耳にしますよね。以下の点に留意して、不用意な引き出しは控えておきましょう。

  • ・亡くなった後に引き出した預金は、相続税の対象になります。また、亡くなる前に引き出してた預金についても、相続時点で残額がある(現金が残っている)場合は同様に相続税の対象となります。
  • ・もし引き出した現金を使用したい場合は、領収書やメモなどで使途も記録しておきましょう。

また、亡くなったことを銀行に伝えた時点で口座が凍結されてしまうため、遺言書などを確認して記録を残しつつ正しい手順で預金を引き出すことをおすすめします。

2.遺言書をすぐに開封すること

亡くなった方の遺志を確認するために、遺言書をすぐに開けたくなりますが、遺言書の種類によってはすぐに開けてはいけないものがあります。

  • ・公証役場の封筒に入った遺言書の場合… 公正証書遺言と呼ばれ、開封して中を確認しても問題ありません。
  • ・普通の封筒に入った遺言書の場合… 自筆証書遺言と呼ばれ、本人が保管していた場合、家庭裁判所で検認が必要です。検認前に開封すると5万円以下の罰金が科されてしまう場合もありますが、遺言書の効力が失われることはありません。

遺言書の検認とは、遺言書の保管者や発見者が遺言者が亡くなったことを知ったあと、家庭裁判所にその遺言書を提出し、相続人立会いのもとで遺言書の内容を確認することです。遺言書の検認を行うことで、遺言書の内容が公に認められ、偽造や変造を防ぐことに繋がります。

また、2020年7月10日よりはじまった自筆証書遺言の法務局の保管制度を利用した場合も検認を受ける必要はありません。

遺言書を書く人は、自分がどの制度を利用して遺言書を書いているのかを理解し、相続人にその旨を伝えておくと亡くなった後の手続きが滞りなく進むでしょう。

3.遺産の一部を使用する

相続費用であっても、遺産は使わない方が無難です。万が一、亡くなった方に借金などの負債があった場合、その負債を相続することになりかねません。

負債も、相続の対象です。遺産を少しでも使用すると、相続放棄ができなくなるため、使う際は慎重に判断しましょう。

まとめ

この記事では、身近な人が亡くなったときにやってはいけない3つのことについてまとめました。亡くなった方のATMからお金を引き出すこと、遺言書をすぐに開封すること、そして遺産の一部を使用することです。

大切な人を亡くした後、残された家族には膨大な量の手続が待っています。この記事で紹介した3つのポイントはあくまで一部ですが、最低でも抑えておいていただきたいポイントになります。

「大切な人を亡くした後の手続きに慣れる」ことは、専門家でない限り到底想像しがたい状況ですので、本サイトの終活コラムをご覧いただきながら、少しずつ知識を増やしていっていただければ幸いでです。

正しい方法を知り、亡くなった方の遺志を尊重して、法的な手続きを遵守することが大切です。

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この記事を書いた人(藤井)

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この記事を書いた人
QLテクノロジーズ編集部
藤井
福岡県福岡市出身。九州大学経済学部卒業。WEBマーケター、ライター。

自動車やサービス業、ITなどの事業会社で主にマーケティングに携わる。

現在は主にWEB広告運用やライティングなどのWEBマーケティング業務に従事。1児の母。

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