父の死後に異母兄弟がいることが判明!どうすればいい?

今回は、相続の際に突然異母兄弟の存在が発覚した場合について、わかりすく解説いたします。ぜひご参考ください。

相談者からの質問

先日父が亡くなりました。私は一人息子だと思っていたので、父の遺産はすべて私が相続するものと思っていました。父の不動産を私名義に変えようと司法書士さんに依頼したところ、父が他の人との間に子供Aさんがいることがわかりました。私は今までAさんの存在を全く知らなかったのでとても動揺しています。今後どうすればいいでしょうか。ちなみに遺言書はありません。

回答

それはとても驚かれたでしょうね。でも、意外とよく聞く話ではあります。お父様も生前は貴方に伝えづらかったのだと思います。

貴方もAさんもお父様の相続人になります。法定相続分は50%ずつです。以前は、非嫡出子(婚姻関係にない人との間に生まれた子供)は嫡出子(婚姻関係にある人との間に生まれた子供)の半分しかもらえないというルールがありましたが、2013年に民法が改正されて、今はそういったルールはなくなりました。

あなたはAさんと遺産分割の協議をする必要があります。特に今回は不動産がありますので、不動産を誰が相続するのか、あなたが相続するとして代償金をいくらAさんに払うのか、について話し合う必要があります。

ご自身でAさんに連絡して協議を行うのもよいですが、それが不安であれば専門家に依頼するのがいいです。司法書士さんは遺産分割の交渉はできませんので、提携している弁護士さんを紹介してもらうのがいいでしょう。そして、弁護士に遺産分割協議をまとめてもらって、遺産分割協議書を元に司法書士さんに改めて不動産の登記移転を依頼するのがいいでしょう。

なお、Aさんはお父様と全く疎遠になっていたのであれば、相続放棄をするかもしれません。その場合はあなたが遺産全部を相続することになりますので、一度確認してみてもいいかもしれませんね。

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この記事を書いた人(堤)

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この記事を書いた人
弁護士
堤 悦朗
福岡県福岡市出身。上智大学外国語学部卒業。弁護士(2009年弁護士登録)。

大手法律事務所パートナーを経て2018年に独立開業。2019年MBA(九州大学)。本サービスの源流となるリーガルテックについて執筆した論文が南信子賞(最優秀賞)受賞

TVQ情報番組「ふくサテ」に終活の専門家として出演するなどメディア実績あり。

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