相続放棄という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
聞いたことはあるけれど、具体的にどういったことが起きるのか、なぜ相続を放棄人がいるのか、不思議に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の相談者様は、自身の父親の遺産を母親に集中させたるために、自身が「相続放棄」をしようとしている方からの相談になります。
相続放棄に関するよくある間違いをされているので、解説していきたいと思います。
相談内容
先日70代の父が亡くなりました。遺言はなく、母と私が相続人となります。父の遺産は自宅不動産のみです。この自宅不動産に母は一人で暮らすことになるので、一旦母が遺産をすべて相続する形にしようと思います。その後母が亡くなった場合にこの自宅不動産を私が相続すればいいと思います。伯父A(=父の兄)からのアドバイスで、そのようにするためには、私が「相続放棄」という手続きをすればいいということですが、本当でしょうか?
回答・解説
これはよくある勘違いですので、今一度検討し直しましょう。
あなたのお父様の両親は健在ですか?
もしあなたのお父様の両親が既に他界しているのであれば、あなたが相続放棄をすると、相続人は、お母様とその伯父A、となります。その伯父さんAも相続放棄をしてくれればいいですがその伯父さんA次第です。その伯父Aの取り分は4分の1となりますので、自宅不動産の価値が2000万円だとすると、あなたのお母様は500万円を伯父Aに渡さないといけなくなります。それが払えないとなると、この自宅不動産を売却したり抵当に入れて銀行からお金を借りたりしないといけない事態になりかねません。つまり将来あなたが相続する取り分も少なくなるということです。
伯父Aが、そのような目論見でそういうアドバイスをしたのかはわからないですが、このような事態をさけるためには、相続放棄ではなく、あなたの相続分をお母様に譲渡するとする「相続分の譲渡」か、あなたの取り分をゼロとする「遺産分割協議」をするのがいいと思います。
詳しいことは一度専門家に相談するとよいと思います。