公証役場とはどんなことをする所ですか?

今回は公証役場についてご質問をいただきました。公証役場の役割、活用場面などについてわかりやすく解説いたします。

相談者からの質問

私は遺言を書こうと思っていますが、至るところで公証役場に行って書くといいよなどとアドバイスされます。離婚するときにも公証役場という言葉を聞いたような気もします。公証役場ということなので市役所と関係しているのかと思いますが、普段全く縁遠い言葉なので、何をするところなのか、公証人という人が何者なのかもよくわかっていません。せっかくの機会なので教えて下さい。

回答

公証役場というのは、公証人と呼ばれる公務員に手数料を支払って公正証書の作成などの公証事務を行ってもらう法務省管轄の機関です。

全国に300ヶ所程度あります。例えば、福岡市内には2ヶ所あります。市役所や区役所とは全く関係ありませんが、公の機関という意味では共通しますね。

例えば、遺言書を作成するときは公証役場で公正証書遺言を作成することをおすすめします。遺言書は自分で作成して自宅に保管しておいてもよいのですが、その遺言書が紛失したり、だれかが盗んだり、破ったりしてしまうとどうしようもありません。公正証書遺言は公証役場でも保管されますので、このような心配がありません。

また、協議離婚するときの養育費や財産分与などお金の支払いに関する約束をするときにも公正証書を作成するのがいいと思います。公正証書にするというのは、本来公文書でないものを公文書にするということです。わざわざ手数料を払ってまで公文書にするメリットはなんでしょうか。実は、お金を払う側が払わなかったときに、公正証書がなければ、裁判を起こし、勝訴し、その上で初めて差し押さえなどの強制執行ができるわけです。しかし、公正証書があれば、すぐに差し押さえなどの強制執行ができるわけです。つまり、裁判をしなくていいという大きなメリットがあります。

他にも、お金の貸し借りである金銭消費貸借契約とか、土地建物の賃貸借契約とか、重要な契約を交わすときに公正証書にすることも少なくありません。また、定款の認証や確定日付の付与など、実はビジネスの色々な場面に関わっていることもあります。

まとめ

公証人の多くは、裁判官や検察官などの法律の専門家出身ですので、信用性も高いと言えます。多少の手数料はかかりますが、人生の重要な局面でお世話になることを検討してみるといいと思います。

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この記事を書いた人(堤)

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この記事を書いた人
弁護士
堤 悦朗
福岡県福岡市出身。上智大学外国語学部卒業。弁護士(2009年弁護士登録)。

大手法律事務所パートナーを経て2018年に独立開業。2019年MBA(九州大学)。本サービスの源流となるリーガルテックについて執筆した論文が南信子賞(最優秀賞)受賞

TVQ情報番組「ふくサテ」に終活の専門家として出演するなどメディア実績あり。

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