仮想通貨(暗号資産)は家族に相続できるのでしょうか?

仮想通貨(暗号資産)は、現代のデジタル経済においてますます重要な存在となっています。その価値の高まりと共に、仮想通貨を資産として所有するかたも増えてきました。
しかし、仮想通貨を家族や遺族に相続できるのかという質問に対して、一般的に理解している方は多くありません。

今回は、相談者からの質問に回答する形で、この問いに答えていきたいと思います。

相談内容

私はサラリーマンですが、財テクの一環と思って10年くらい前からビットコインに投資してきました。なので投資額はそれほどでもなかったのですが実は相当の含み益があります。ただ、仮想通貨取引をしていることも含めて家族に何も言っていません。もし私が死んだ場合、このお金を家族は相続できるのでしょうか。なお、一度も利益確定をしたことはありません。

回答・解説

仮想通貨、最近では暗号資産と呼び方が変わってきていますが、現時点では投機的な性質をもっているものです。10年前から投資してきたのであればかなりの金額となっていると想像できます。

まず、暗号資産も資産ですから、相続の対象となり、相続人はこれを相続します

もっとも、この暗号資産の取引は基本的にインターネット上で行うもので、そこで完結しますので、ご家族に完全に内緒で行うこともできるメリットも有る一方で、仮にあなたが亡くなったとしたらご家族はその存在を知ることができないというデメリットがあります。

利益確定してあなたの銀行口座に仮想通貨取引所から入金があれば、確定申告書や銀行履歴などをヒントに情報をたどることができるかもしれませんが、そういう事情もないのであれば、ご家族はまったく知ることのないまま相続が進んでいくでしょう。

そこで、あなたの大切なご家族に財産を承継させるためにも、仮想通貨取引を行っていることや、保有しているコインの種類、利用している取引所の名前や、その取引所へのログイン情報、などを事前にお伝えしておくことを強くお勧めします。それがどうしても嫌であれば、エンディングノートや遺言書を作成しておきその中に上記の情報を記載しておくことも考えられます。

0