相続税の申告は本当に不要? 申告が不要なケースとは

相続が発生すると、まず気になるのが「相続税」。しかし、すべてのケースで申告が必要とは限りません。たとえば、親から古びた家や土地を相続した場合でも、本当に相続税の申告は必要なのでしょうか?今回の記事では、相続税の基礎控除額や申告が不要になるケースについて、相談者からの質問に回答する形で解説します。

相談者からの質問:相続税を払わなくてもいいのでしょうか?

父親は10年前に亡くなりました。この度、母が亡くなりました。相続人は私だけです。母は、借金はありませんが、預貯金もなく年金暮らしでした。資産といえば、築50年前に二束三文で買った古びた家と土地だけです。世の中には相続税という税金があるそうですが、私の場合、相続税は払わずに何もしなくていいですよね?

回答:基礎控除の範囲内である場合、相続税の申告は不要です。

相続が開始すれば、相続税がかかり、相続人は、税務署に相続税の申告をしなければなりません。ただし、相続税の申告が不要になる場合があります。それは、相続した財産の総額が基礎控除の範囲内である場合です。この基礎控除額については非課税とされているからです。
基礎控除額は、3000万円+法定相続人×600万円となります。本件では、法定相続人はあなた一人ですので3600万円ですね。
母の相続財産が3600万円を超えるかどうかが問題になりますね。安価な家と土地だけだということですから、3600万円を超えないかもしれませんが、50年前に安価だとしても、地域によっては現在高騰している可能性もあります。そうすると、相続税は発生し、あなたは相続税申告をしなければなりません。ですので、まずは、その不動産の価値を正確に把握しましょう。
どのように不動産の価値を決めるのか、相続税はいくらになるのか、相続税を払えない場合はどうするのか、などについては、後日この知恵袋でご説明したいと思います。

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この記事を書いた人(堤)

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弁護士
堤 悦朗
福岡県福岡市出身。上智大学外国語学部卒業。弁護士(2009年弁護士登録)。

大手法律事務所パートナーを経て2018年に独立開業。2019年MBA(九州大学)。本サービスの源流となるリーガルテックについて執筆した論文が南信子賞(最優秀賞)受賞

TVQ情報番組「ふくサテ」に終活の専門家として出演するなどメディア実績あり。

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