
本人の手書きと押印が義務づけられている「自筆証書遺言」について、デジタル機器での作成が可能になりそうです。
法務省が近く有識者会議を設け、民法を改正するための議論を本格化させるとの記事が出ています。遺言書を「手書き」で作成するという手間を省いて、遺言書の活用を促進する狙いがあるようです。
自筆証書遺言とは?
そもそも遺言書には、「公正証書遺言書」と、「自筆証書遺言書」があります。自筆証書遺言書の特徴は、以下の通りです。
- ・メリット:手軽に作成でき、公正証書遺言書と比較して費用が掛からない
- ・デメリット:無効になりやすい
- ・作成:遺言者が遺言書全文を自筆で書き、日付を記して署名/押印する必要がある
- ・保管:自宅で保管する、専門家に預ける、あるいは法務局の制度を利用し法務局に保管する。※法務局以外で保管した場合は、家庭裁判所での検認が必要。
- ・証人:不要
- ・費用:0円(法務局保管なら保管料が別途必要)
遺言書の書き方は、以下の記事にもまとめていますので、是非参考にしてみてください。
今後の論点
デジタル機器を使って遺言書の作成が可能になると、その作成が容易になるだけに、その内容が遺言者本人の真意であるのかどうか?といった意思の確認や、改ざんを防ぐ仕組みの導入が今後の論点になるでしょう。
本人が書いたものと確認するため、手書きの署名のほか、電子署名を活用したり、入力する様子を録画したりする案が検討される見通しとのことです。
本人に代わって、家族が書いてもよいのかどうか?など、議論すべき点は多々ありそうです。