自宅介護は、自分の家族と一緒に過ごしながら必要な支援を受けるための選択肢です。しかし、その実現には、ケアマネジャーとの協力が欠かせません。ケアマネジャーは、専門的な知識と経験を持ちながら、介護をサポートし、必要なサービスを提供してくれる存在です。
本コラムでは、相談者からの質問に回答する形で「ケアマネジャー」とは一体どのような存在なのか、そして自宅介護の場合におけるケアマネジャーとの関わり方について解説していきます。
相談内容
私は40代女性です。自宅で母の介護を行っていますが、最近知人から「ケアマネを探したらいいのでは?」と言われました。ケアマネという言葉は聞いたことがあり、介護施設で働いている職位が高めの人というイメージですが、そもそも自宅介護の場合のケアマネさんとの関わり方がよくわかりません。そもそもケアマネとはどういう仕事なのでしょうか。そしてどのように探せばいいのでしょうか。
回答・解説
ケアマネとはケアマネジャーの略称で、正式には「介護支援専門員」と言います。ケアマネの方が言いやすいしわかりやすいのでみなさんケアマネと呼んでいます。
ケアマネは職位ではなく、資格です。国家資格ではなく公的資格であり、各都道府県が管轄・実施する介護支援専門員実務研修受講試験に合格すると得られるものです。介護保険制度の中核を担うエキスパート資格として2000年に誕生しました。
主な業務は、要介護者や要支援者に対してケアプラン(=介護サービス計画書)の作成やそのマネジメントを行うことですが、その他にも適切な介護保険サービスが利用できるように市町村/サービス提供事業者/介護保険施設等と連絡調整を行ったりします。高齢者の生活の改善のために幅広い範囲の業務を行います。
働き方も多様で、ケアマネとして独立して自由度高く働く人もいれば、雇われて安定的に働く人もいます。職場としては、居宅介護支援事業所や、各種老人ホーム施設、地域包括支援センターで働く人が多いですが、介護関連の民間企業に勤める人もいます。
ケアマネの探し方ですが、貴方の場合は、お母様が自宅で暮らしているということですので、居宅介護支援事業所に相談してそこに勤めるケアマネさんに担当してもらうのが一番無難かと思います。それ以外の選択肢としては、かかりつけ医から紹介してもらうとか、同じ地域に住んでいる知人らの口コミを参考にするなどがあります。いずれにせよ、色々とお話をして、信頼関係を構築できるケアマネさんを見つけることが大事ですね。